■after that■

「……」
明け方、朝一のバスで帰ってきたアパートメントの前に、正しくは私の部屋のドアの前に。
一抱えもあるティディベアがでんと腰を下ろしていた。
サンタクロースの帽子を被り、白い袋を抱えている。
この歳でサンタが来るとは。
とりあえず、あくまで取り敢えず。努めて、取り敢えず。
「アンタ、うち入りなさい」
ティディベアは無論何も言わない。勿論、腰を上げたりもしない。
それが死ぬほどアイツを思い出させて腹立たしかった。心底悔しかったけれど。
「いいから、入りなさい」
私はティディを抱き上げて、家の鍵を開けた。




Merry Christmas!